2011年10月31日月曜日

サンワ工務店山野さん ヒアリングと倉庫見学

みなさん。熊本市の上乃裏通りをご存知ですか?

名前の通り、熊本一の繁華街、上通りの裏通りで、
蔵や古民家をリノベーションして作ったレストランやおしゃれなショップが並び、熊本で最も雰囲気の良いストリートです。(中川評)高校の時、野球の試合に行くためにその通りを横切る時、いつも「いいな」と感じていました。(事務局長の中川は熊本出身。)

実は6月に佐賀のまちの間に行ったとき、サンワ工務店の山野さんという方が、その上乃裏通りの店舗はほぼすべて改修しているということを聞き、すごく気になっていたので、やっとアポを取ってお伺いしました!!


熊本市打越にある事務所に行くと、すごくファンキーなおじさまが。
熊本のピーエスオランジュリの改修も手掛け、静岡の長屋門レストラン(千葉学設計)もされているとこのこと!こんなすごい方が熊本にいたとは、全く知りませんでした。

山野さんいわく、
「古民家に特化しているつもりはないし、まちづくりのためにやったこともない。一つ一つの店を成り立たせるために、全力を尽くしただけで、偶然それが集まっただけのこと」
すごい数の実績があるからこそ言える一言です。


そんな山野さんは作品集もつくらない主義で、
「これもサンワがやっているのか」といわれるのほうがいいとのこと。
斜に構えてます!イカしてます。

「家を長生きさせるためには、家の悪い所が気付けるようにすること。」だそうです。ふむふむ。

それから、二日酔いで運転できない山野さんを横に乗せて、車で40分のところにあるサンワ工務店の倉庫へ。(途中で桂仙ラーメンをいただきました。)


そこにはアサヒ鉄工のズべさん(※20111105訂正 すみません)と熊大教授の吉井さんが。
ズビさんは、親の代からの鉄工所を継ぎ、本業の装飾金物に加え、今では鉄を使ったアートも手掛けています。

コーヒーを引くズべさん 光の感じが素晴らしい!

吉井さんは熊大で造形学を教える傍ら、ランドスケープや彫刻を手掛ける事務所を主宰されています。


(左から、吉井さん、ズべさん、山野さん。)
3人はすごく仲が良く、常に冗談が飛び交う。
こんな人たちと仕事ができたら楽しいだろうなと思いました。

そして、倉庫を見させていただいて、「何でも持っていっていいよ」と、またもや神のような一言。
山野さんは若い店主にイニシャルコストを抑えるために古材を無料で与えているんですって。
ここにも“拾う神”です。また、今度は段ボール持ってもらいに来ます!(遠慮知らずですみません汗)

気に入った照明器具。カプセル型。入居者は気に入ってくれるかな。 

本当にいろいろな人に支えられてこのプロジェクトは成り立っているんだなと思った週末でした。
山野さんお休みの日に一日中お付き合いいただいて大変ありがとうございました。

2011年10月30日日曜日

福岡県古民家再生協会西支部 事務所に行ってきました!

少し前(10月19日)なのですが、福岡県古民家再生協会の方から話を聞かせてほしいということで、お話しさせていただきました。

西支部長の川口さんは、古民家(築60年以上の伝統工法で造られた木造住宅)を対象として、古民家の保存、古材の収集・販売を行っておられます。


福岡県には全部で11万棟の古民家があるそうですが、年300件のペースで壊されているそうです。彼らはそのような古民家を壊さないように説得し、それでも壊す時は古材を買い取ります。さらに、その古材から釘を抜き、磨き、打撃実験によってヤング係数を測り、お祓いをして、品番を付けて、高級古材として売っています。

古材をお金が無いから仕方なく使うのではなく、積極的に選んで古材や地元産の木を使うことを推進するために活動されています。さらに行政に対しても働きかけを行っているそうで、抜け目ないです。

さらに彼らのすごい所は、古民家を守るだけではなく、大工職人の技術の継承を助け、伝統工法の住宅を新たに作るための、攻めの保存を行っているところ。

実際に、古民家協会の事務所を見せて頂きました。


すごい!! 美しい小屋組み。床を抜いて出来た吹き抜け。空中に床の間だけが浮かんでいます。黒と白でまとめられたかっこいい古民家でした。



なんでそんな古民家協会の方が、築30年の古民家には程遠い私たちのプロジェクトに興味をもたれたのかというと、「きこり」に可能性を感じたからだそう。
木を切り、搬出・製材し、家を建て、入居後の近隣関係まで考えていることに、“循環”の可能性を感じて下さったそうです。たしかに、“家をつくる”という過程を通して、森から入居者、近隣住民までの長い長い鎖を一つに繋げることができたら良いなと思います。
川口さんお忙しい所長々とお邪魔しました。

2011年10月25日火曜日

藤原建設さん ヒアリングと倉庫見学

「糸島で古民家といえば、藤原建設さん。」という噂を耳にし、早速行ってみました。


筑前深江駅。古い駅舎


立派な木造住宅が残る筑前深江周辺


ずっと糸島で大工さんをやってこられた藤原さん。
古い家を解体するたびに、もったいないなと思って、徐々に解体時に引き取るようになったそうで、
それらをがらくた市として時々倉庫を開いては、引き取り手を探しているそうです。

「物を大切にする心は、人を大切に思う心と繋がっている。」という言葉が印象的でした。

そして、その倉庫を見学。

すごい量の古材。


どれにも人が使っていた記憶が残っていて、時間を超えて物が話しかけてくる気がしました。
この中で、自分たちの家に使えそうなものを、驚くべき低価格で譲っていただけるそうです!!
今度、軽トラでお伺いします。

藤原さんは、まさに“拾う神”でした。ありがとうございました。


帰りに、藤原建設さんが建設したレストラン「はろじ」へ。
深江海岸からの穏やかな海を見ながら、徳之島の独特でめちゃくちゃうまい料理でした。
ちそうさまでした!!

2011年10月24日月曜日

軽トラ市 in 前原名店街

改修工事にはもう少しかかりそうですが、足を止めるわけにはまいりません。

早速、唐津街道前原宿、軽トラ市に行ってきました!!

一年前から始まったこの軽トラ市は、
『前原名店街に糸島の新鮮な野菜や果物、魚などが集まり、グルメ通りに変身します』
ということで、いつもはシャッター街の通りに人と賑わいが戻ってきました。


「きこり」でお世話になった、吉村ファームの吉村さんもお店を出されて、とれたばかりの新米を売られていました。


他にも、新鮮な野菜や、牡蠣、焼きたてパンや器まで、いろんなものが売ってあり、

平日はかなりさびしくなってしまった商店街ですが、この日ばかりは大盛況のようでした。



しかし、残念だったのは
①人の流れが駅や東の端まで続いていないこと。
(駅から名店街まで行く人にとっては、賑わいの連続が重要。また、「ここのき」や「古材の森」といった東側の新しいお店等との協力キャンペーンするともっと面白くなりそう。)


②10:00~13:00の歩行者天国が終わった途端にいつもの静けさが戻ってくること
(せっかく遠くから来て頂いたお客さん(少なくとも私は箱崎から行きました)にもう少し長く滞在してもらえるといいのでは?せめてランチまで食べてもらって、前原の歴史を知ってもらえればいいなあ。)


そして、軽トラ市の賑わいが平日にもいい影響を及ぼすようになってほしいと思います。
そして、次回は11月20日のようです。みなさん、行ってみてはいかがですか?
ついでに改修工事ものぞいてみていってください!その頃には工事も進んでいるはず(予定)(汗)


ちなみに私は空き家を見学して、しっかりランチまで食べて帰りました。よい週末でした~。(中川)

2011年10月22日土曜日

九大アラムナイフェスに出展しました。

九大アラムナイフェスに「糸島空き家プロジェクト」として出展しました。
ツイッターでつぶやいたものの、“アラムナイ”って??という方、

アラムナイとは、、、

alumni


つまり、九大の同窓会のお祭りってことです。
今年度が第一回目だということで、私たちもせっかく箱崎にいるのですし、出展させていただきました。





箱崎キャンパスの50周年記念講堂ホワイエがメイン会場です。


樋口と石神が夜を徹して作ってくれたプロジェクトの歴史年表と、思い出写真、
さらに、瓜生が夜を徹して修正してくれた糸家の改修案の1/20模型を展示。

最後にみんなで切ったヒノキを添えて、、、

コンクリート打ちっぱなしの壁に映えるシンプルな展示でしたが、
いかんせん3階の誰も来ない廊下での展示で、なかなかビラも減りません。


すると、


入り口の真ん前で展示をしていた「九大OB相談のる研」がここで展示を許可して下さいました。
(相談のる研には空き家の設計に関しての指導をいただいています。)

おかげで、九大卒業生の方々にも少しだけ糸島空き家プロジェクトを知って頂けたかと思います。
皆さんありがとうございました。

2011年10月20日木曜日

糸島だけではありません。井尻もアツい!

先日(とはいっても8月末)、事務局メンバーは「北九州リノベーションスクール」なるものに参加させていただいて、北九州の商店街で空きビルの活用策をワークショップで考えるというイベントに参加したんです。

そのとき、講師として参加していたコヤマコンセプトの貞國秀幸さんという方が、井尻で面白いことをしていると聞きつけ、早速行ってみました。

外観は普通のマンションといったビルですが、

オシャレな共用部を抜けると



そこには、音楽スタジオが!!

ここは、スタジオアパートメント「KICHI」という名前で、音楽など様々なアーティストのために練習用のスタジオ付のワンルームとして貸し出されているマンションなんです。


芸工の井尻寮やアート系の学科を持つ女子大の立地と、低家賃を活かして、「井尻をアーティストの街にする」という大胆なコンセプトをもって、元社員寮をリノベーションした建物です。
そのコンセプト実現のために、様々なアートイベントを行い、最近、美野島にもカフェ付ホステル「COSTEL MINOSHIMA」をオープンさせた貞国さんから目が離せません。

KICHIプロジェクトの面白いところは、ひとつのビルの改修工事が、街全体に影響を及ぼし始めているところ。


実際に、九大芸工井尻寮の学生が寮でイベントを行ったり、それを聞きつけた井尻商店街が、学生に空き店舗を貸して、学生の運営するアートカフェを始めようとしています。

 

 まずはギャラリーとして様々なイベントしていく予定とのこと、井尻の子供たちから将来のアーティストを育てることが目標だそうです!俺たちも負けてられない!

11月1日オープンだそうです!!いってみたい!(中川)

2011年10月19日水曜日

C&C 中間報告会

C&C(チャレンジ&クリエイション:九州大学の学生独自の起業や研究を支援する補助金制度)の中間報告会がありました。

これまで行ってきたこと、当初の計画からの変更点、現在直面している問題などについて発表しました。



大きな変更点は、「きこり」ができたこと。
日本の林業の問題を知ることができたし、実際に林業に携わる方々、農学部の学生、教官らとお話しできたことがすごく刺激になりました。

問題は、
①改修工事を始められないこと。契約内容を早い段階で検討しておく必要がありました。
②今後のプロジェクトの進め方
  学生という特性上、時間が取れない時期(テスト、論文)があり、プロジェクトを進めることが困難になる  可能性がある。
  また、私たち事務局がお世話になった方々とのネットワークをどのように後輩に引き継いでいくのか。

まだまだプロジェクトは始まったばかりです。

2011年10月18日火曜日

改修工事はまだかな??と思ってらっしゃる皆様へ

事務局長の中川です。

9月末に工事開始と言っていたのに、まだ工事は始ってないんですか??と疑問に思ってらっしゃる方。
お待たせして申し訳ありません。

現在、オーナーの方との契約内容の確定と工事見積もりを行っており、
それが決まり次第工事を開始する予定です。

「工事に参加します!」とのご連絡を下さった方々、もう少々お待ち下さい。
わたしたち事務局も、大工さんと改修工事の工程を話し合ったり、必要な道具を買い揃えたり、
現在できることを精一杯進めております。私たちもすぐにでも改修工事を始めたくてうずうずしています!

皆さんとともに家をつくる日を楽しみにしております。
ご興味のある方、工事に参加してみたい方のご連絡お待ちしてます。

連絡先
糸島空き家プロジェクト事務局
itoya.2011@gmail.com

能古島に出張してきました!

今日は、能古島へ行ってきました!

なぜ能古島かというと…

以前空き家プロジェクトでお会いしたグリグリ農園の東さんの友人に私たちのプロジェクトに興味を持って下さっている方がいるということで、お会いしに行ってきたのです。


どんな方かというと、設計事務所や都市計画事務所で建築やまちづくりに携わり、
現在は独立してatelier HUGEという建築・空間デザインをやられているという水谷さん。
なんと能古島に事務所があるということで、さっそく能古島へ。

能古渡船場からフェリーで渡ります。



コスモスが見ごろを迎えているということで、平日にもかかわらず観光客の方で船はとても混雑していました。

10分ほどのクルーズ気分を経て、いざ能古島に着くと水谷さんがフェリーターミナルまでわざわざ出迎えに来て下さっていました。
そして能古島ビギナーの私たちのために、簡単に能古島を案内して下さいました。

フェリーターミナル降りてすぐにはのこの市という島でとれた新鮮な野菜や特産物を売っているお店や、noco nicoというおしゃれでかわいいカフェがあったり(残念ながら写真がなかったです、すみません…)。

でも同時に空き家、空き店舗も結構ありました。


これは、かつては貸チャリをやっていたようで、その後違うお店になったあと空き店舗に。
noco nicoのすぐ横にあります。

一般の観光客は能古島に着くと、バスに乗ってアイランドパークまで行く人がほとんどですが、
バスのルートとは反対側に行きました。

すると、空いている旅館がちらほら。


能古島から歩いてすぐの玄関口にもかかわらず、残念ながら老舗の旅館も使われていませんでした。


また、イベント時はステージが設置されるという公園も、平日は市民の駐車場になっているそうです。

フェリーターミナルの近くには旅館が多いそうですが、しばらく歩くと集落に入っていきます。
そして、博多湾岸が一望できるきれいな浜辺がありました。


なんと、夜になると辺りはすごーく静かで、対岸の筑肥線の電車の音が聞こえてくるほどらしいです。


道端にはコスモスが咲いていたり、


そして海沿いの道から島の中央部の方にのびるみちを進むと稲刈りシーズンを迎えた田んぼが広がっていたり、


神社では、たまたま授業がはやく終わったという子どもたちが遊んでいたり。

福岡市とはいえ、なんだかなつかしい風景が日常に広がっていました。

探検を終えて、郵便局へ。
局長の西方さんは水谷さんの知り合いで、なんと「いとしまにあ」を読んで私たちのことを知っていたそうで、事務局一同びっくり。

郵便局の中にお邪魔させていただき、私たちのプロジェクトについていつも通り説明させていただきました。


島づくりを考える会(仮称らしいですが)として、能古島の空き家問題等について考えているお2人です。

お話を伺うと、実は能古島ファンはとても多いそうで、移住したい人も結構いるんだそうです。
でも、能古島は都市計画法という法律で市街化調整区域にされているので、開発行為が原則として抑制されているのです。簡単に言うと、新しく建築物を建てたり、増築することができないということ。
つまり新しい家は建てられません。
そこで、空き家を改修してそのニーズにこたえようとするのですが、家財道具が残っていたり、所有者の所在が分からなかったり、知らない人に貸したくなかったりという理由で空き家のまま放置されている物件があるのだそうです。

今まで私たちが培ってきたささやかな知識の中で、どういうことができるのか意見交換しました。

その後は、水谷さんのオフィスにお邪魔してこれまでやってきたお仕事や、能古島をどうしたいかといったお話を聞かせて頂きました。

人口がこれからどんどん減っていく中で、空き家問題は多くの地域がすでに抱えている問題です。
場所や置かれている条件は違っていても、同じような問題を抱えている人はいっぱいいます。
空き家プロジェクトとして直接かかわることはできなくても、そのような地域・人に対して、なにかしらの役にたてればいいなと思います。

最後になりましたが、水谷さん、西方さんありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。


(石神)




2011年10月9日日曜日

屋根裏の調査をしてきました!

こんにちは。ご無沙汰しております。

だいぶ間が空きましたが、その間何もやってなかったわけではございません!

今回は、少し前に行った糸家の屋根裏調査を紹介したいと思います!!

なぜ屋根裏か…と言うと、
私たちの設計案では下の模型写真のように土間部分と入居者の部屋の一部の天井板を撤去し、開放的に使おうと考えているのです。



が、そもそも天井板を撤去できるかは天井を見てみないと分からない…ということで、
大工さんに、「押入れの中にある点検口からだったら中に入れるよ~」と教えて頂き、さっそく中に潜入してみたのです。


写真では少し分かりにくいかもしれませんが、
実は押入れの天井が一部はずれるようになっていて、点検口と呼ばれる入口があるんです。
これは、屋根の工事が全部終わった後に大工さんが出てくるための穴でもあるんだとか。

さっそく、事務局メンバー瓜生が代表して潜入します。

中に入ってみるとびっくり。
ほこりこそたまっているものの、すごく立派なつくりで一同感激。


やっぱりこの立派な梁をいかさないわけにはいけませんね。

屋根裏は、土間の部分と居室の部分と構造が異なっているようで、
早速、実測、帰ってすぐに図面化しました。

すみからすみまで屋根裏を実測し、下に降りて来たころには真っ黒。
天井板をはずすときがおそろしいですが、
みんなで屋根裏掃除大会とかしてもおもしろいかなーと思ったり。

他にもイベントいろいろ企画中なので、興味がある人はぜひ参加して下さいね♪